スワップ金利を目的とした運用ではトルコリラや南アフリカランドが有名ですが、最近ではメキシコペソが加わり「高金利通貨の御三家」なんて呼ばれることも多くなりました。
政策金利(2018年6月現在) | ||
トルコリラ | メキシコペソ | 南ア・ランド |
17.75% | 7.75% | 6.75% |
メキシコペソは南アフリカランドよりも金利が高い事に加えて、トルコリラよりも下値の底堅さが感じられることから、人気が急上昇中。
今回はメキシコペソの投資を行う上で、頭に入れておきたい点を書いていきます。
トルコリラは非常に金利が高くなっていますが、約半年(2018年6月現在)で対ドル相場で約20%下落していますので、安易に飛びつかない方が賢明だと思います。
現在の水準は底値圏か?
メキシコペソ円は2016年11月に5円を一時的に割っていますが、これはトランプ大統領が選挙で勝利をしたことが理由です。
ドランプ大統領は選挙期間中に「米国とメキシコの国境に壁を作る!」のような厳しい態度をとる事を強調していたので、ガッツリと売り込まれました。
しかし、それ以降は少しづつ回復をしています。
リーマンショック以降のメキシコペソ円を見ていくと、2016年11月を除けば8円~5円の範囲内に収まる傾向にあります。
メキシコペソを動かす大きな要因は?
メキシコは米国に隣接していることもあり、その米経済の好調の恩恵から安定的に成長しています。逆に言えば米国との関係が非常に重要です。
ちなみに、貿易面では米国が輸出の約80%、輸入では約50%と圧倒的です。
直近のメキシコペソが低迷している理由は、アメリカ、カナダ、メキシコ3カ国間で結ばれた経済協定(NAFTA)の再交渉が行われている点が大きいと思います。
ただし、個人的にはアメリカがNAFTAから離脱する可能性は非常に低いと考えており、この問題が解決されればメキシコペソが買われる事も期待されます。
やや博打的な要素もあるので大きな仕掛けはNGですが、現在の水準(5円中盤)は長期的に考えると仕掛けるには面白い水準かもしれません?
2018年7月の大統領選が注目
2018年と言えば11月の米国中間選挙の話が多いのですが、メキシコも7月に大統領選があります。
3月下旬の地元経済紙によるとロペスオブラドール氏を支持が1位でミード氏が2位となっています。
単純にメキシコペソの上昇を考えると投資家から支持が高いミード氏に期待したいのですが、厳しい状況となっています。
ロペスオブラドール氏は反トンランプ大統領とも言える強い対米姿勢で人気を得ています。
このまま、ロペスオブラドール氏が当選した場合は米国との関係悪化や経済政策が内向きになる事も予想させるので、メキシコペソに売り圧力が掛かる可能性があります。
レバレッジは2~3倍で小分け購入がポイント
リーマンショック以降のレンジを見ていけば底値圏に見えますが、米国との関係や大統領選という不確定要素もあるので、一括購入よりも何段階かにわけて小分けに購入していく方が安心です。
原油価格が下がった時に連動してメキシコペソも短期的に下がる傾向もあるので、個人的にはそういった時がスポット買いの狙い目だと考えています。
メキシコは石油などが産業の柱と言われているので原油価格も一つのポイントです。ただし、中長期では米国との関係性が最重要になります。
あくまでも個人的な考えですが、米国とメキシコの関係性は楽観視しています。
米国が完全雇用とも言える状態で、今後は深刻な労働力不足になると予想されます。メキシコ人の労働者が、米国のサービス業や建設・農業といった業界を支えてきた事実は無視できません。
トランプ大統領が永久にそのポストにいるわけではありませんので、長期的に考えるとメキシコペソは現在がもっとも逆風という考え方もあります(仕込時?)。
ただし、購入に関してはレバレッジは2~3倍に抑えておくのが無難。
やはり新興国通貨は予想外に大きく動く事がありますので、最悪の状況だけは避けなくてはいけません。
メキシコペソのスワップ金利を比較
メキシコペソに興味ある人にとって、気になるのは買いスワップだと思います。
以下は2018年5月7日現在の取扱いFX会社の状況(1万通貨)
順位 | FX会社 | 買スワップ | 1ヶ月の概算 |
1位 | FXプライムbyGMO | 15円 | 450円 |
1位 | みんなのFX | 15円 | 450円 |
3位 | マネーパートナーズ | 12円 | 360円 |
4位 | 外貨ドットコム | 11円 | 330円 |
5位 | ヒロセ通商 | 11円 | 330円 |
※スワップは日々変動しますので、将来を約束するものではありません。
※1ヶ月の概算は、2018年5月7日時点の買いスワップ×30日です。
個人的には、メキシコペソならFXプライムbyGMOが圧倒的にオススメ。
(南アフリカランドでも最高水準のスワップです:2018年6月末現在)
スワップのランキングはトップを継続していますし、高金利通貨に関する情報(セミナー等)も多い点が大きなメリットです。
今回は「メキシコペソの買い時はいつ?値動きに影響が大きい2つのポイントを掴もう」について紹介しました。
ヒントになる点があれば参考にしてみてください。